孔内水平載荷試験は、ボーリング孔内において孔壁をガス圧や油圧を利用して加圧し、そのときの圧力と孔壁の変位の関係から、地盤の変形係数、地盤反力係数、降伏圧力、極限圧力、静止土圧などの地盤の力学特性を求めるものです。
ボーリング孔壁が崩壊しなければ、すべての土質・岩盤、深度に適用できます。
孔内水平載荷試験は、ボーリング孔内において孔壁をガス圧や油圧を利用して加圧し、そのときの圧力と孔壁の変位の関係から、地盤の変形係数、地盤反力係数、降伏圧力、極限圧力、静止土圧などの地盤の力学特性を求めるものです。
ボーリング孔壁が崩壊しなければ、すべての土質・岩盤、深度に適用できます。
現在地質調査で利用されている試験器にはLLT(等分布荷重式1室型)、プレシオメータ(等分布荷重式3室型)、KKT(等分布変位式)、エラストメーター(等分布荷重1室型)等があります。
① LLT(等分布荷重方式…1室型)
測定管が1室のゴムチューブ製測定セルで構成
② プレシオメータ(等分布荷重方式…3室型)
測定管がゴムチューブ製の測定用メインセルおよび上下のガードセルで構成
③KKT(等分布変位方式)
測定管がゴムチューブ製の測定用メインセルおよび上下のガードセルで構成
④エラストメーター(等分布荷重1室型)
LLT(等分布荷重方式…1室型)
プレシオメータ(等分布荷重方式・・・3室型)
KKT(等分布変位方式)
弊社ではLLT(等分布荷重式1室型)の試験機を使用しています。
この試験はボーリング孔を利用した原位置試験の一つで、ボーリング孔の孔壁面を加圧し、孔壁面の変形量(孔壁の拡がり)を測定することにより地盤の変形特性及び強度特性を求めることが目的で、地盤工学会基準「孔内水平載荷試験法(JGS 1421)」に従って実施しています。
試験の加圧時の荷重段階は、孔壁に加わる圧力が19.6kN/m2程度又は予想される最大荷重の1/10~1/20程度とし、得られる荷重強度~変位曲線ができるだけスムーズな形状になるように実施します。測定は荷重ごとに圧力を2分間一定に保ち、この間に生じる変形量を加圧の瞬間から15秒、30秒、1分、2分後に行います。
加圧(測定)の終了は、1分間に生じる変形量が著しく進む状態に至った場合または使用圧力計が最大圧力に達した場合、タンク内の水位がスタンドパイプの最下端付近までに至った場合を目安として行います。
試験装置
今回使用する孔内水平載荷試験(LLT)の仕様および構造を下に示す。
1.型 式 :LLT(Model-4189)
2.方 式 :等分布加圧方式(ゴムチューブ)
3.測定管の構造:1室型・・・全長600mm
4.加圧方法 :ガス圧(窒素ガス)
5.最大加圧力 :2.5M
解 析
有効圧(Pe)-孔壁変位量(r)、クリープ量(ΔH)関係曲線から、次に示す定数を求める。
・初期圧(静止土圧)(P0)
・降伏圧 (Py=P’y-P0)
・極限圧力(破壊圧)(Pl=P’l-P0)
・地盤係数(測定K値:Km=ΔP/Δr)
※ 一般に地盤係数、荷重強度~変位曲線において直線状となる領域(④-⑥)の勾配から求められる。
・変形係数(E≒弾性係数)
E=(1+ν)・rm・Km(kN/m2)
ここに、ν :ポアソン比(ν=0.2~0.5、砂質土は一般的にはν=0.3で計算)
Km :先に求めた地盤係数
Rm :Km値算出区間の中間半径
加圧力と孔壁変位量、クリープ変位量の関係
試験結果の一例
結果の利用
試験は主に杭基礎を見据えた調査時に行うことが多く、杭設計などで利用する地盤の変形特性を算出します。
特に試験深度は杭の特性値をβとして杭頭から1/βの深さまでに分布する地層を対象に実施します。具体的な深度は大略、杭頭から10mの範囲で行うことが多く、緩い場所で実施します。
この他に、岩盤分類の指標を得るために行われることや、空洞周辺の緩み領域の推定等の目的で行われることもあります。