現場透水試験は、ボーリング孔や井戸等を利用した試験法で、ボーリング孔の先端に地下水が流入するストレーナー部分(試験区間)を設け、孔内の水位を人工的に低下させ、その後の回復状況を測定します。
このときの時間と地下水位の回復量とから地盤の透水係数を求める試験です。
現場透水試験は、ボーリング孔や井戸等を利用した試験法で、ボーリング孔の先端に地下水が流入するストレーナー部分(試験区間)を設け、孔内の水位を人工的に低下させ、その後の回復状況を測定します。
このときの時間と地下水位の回復量とから地盤の透水係数を求める試験です。
非定常法:測定用パイプ内の水位を一時的に低下または上昇させ、平衡状態に戻る時の水位変化を経時的に測定して地盤の透水係数を求める方法。
定常法 :揚水または注水して、測定用パイプ内の水位が一定となったときの流量を測定して地盤の透水係数を求める方法。
非定常法
定常法(揚水による)
以下の手順で行う。
試験装置の設置
計測試験
解 析
水位(対数目盛)と経過時間(算術目盛)との関係をプロットし、初期の直線部分の傾きmを求め、次式から透水係数kを算定する。
(1)不圧地下水
k=0.66×d^2×log(2L/D)×m/L
(2)被圧地下水
k=0.66×d^2×log(4L/D)×m/L
ここに、
k:透水係数(cm/sec)
m:グラフの初期直線部分の傾き
log(S1/S2)/(t2-t1)
d:測定パイプの内径(cm)
D:試験(透水)区間の直径(cm)
L:試験(透水)区間の長さ(cm)
水位差Sは 測定水位-安定水位(平衡水位)
試験結果の利用
以下に一例として非定常法における試験データを提示します。左の図は地下水の回復を計測したものであり、通常、試験深度より上位に地下水が存在している場合に採用します。一方、右の図は試験深度に地下水が存在しない場合の試験結果です。この方法は試験孔へ水を注入し、その後の水位変動を計測したものです。
試験結果は初期の直線勾配より透水係数が導かれ、その結果を基に地盤の透水性を把握します。
特に掘削を伴う施工においては、この透水係数から排水計画が行われます。
回復法の測定例
注水法の測定例
透水係数と対応する土の種類
その他、透水係数の利用として、地下水を汲み上げた場合の影響範囲の概略計算にも用いられます。
以下の図は下水道工事に伴い地下水を汲み上げた場合における影響範囲を示したものです。ただし、実際に想定される影響範囲については地形あるいは河川など水理的な境界を考慮し総合的に判断しています。
施工に伴う地下水への影響範囲