第一コンテク株式会社

スウェーデン式サウンディング試験

スウェーデン式サウンディング試験とは、地盤の強さ(支持力度の強さ)を調べる簡易調査法の1つで、「SS試験」ともいわれています。
この試験方法は、装置および操作が容易で迅速に測定ができ、簡易なサウンディングのうちでは比較的貫入能力に優れているなどの利点を有しており、最近では、戸建住宅など小規模構造物の支持力特性を把握する地盤調査方法として最も多く用いられています。

試験方法

  1. 鉄の棒(ロッド)の先端に円錐形をねじったようなスクリューポイントを取り付け、それを地面に垂直に突き立てます。
  2. ロッドには、自由に上下させたり途中で固定もできる受け皿(クランプ、重さ5kg)を通し、さらに上端には水平に取っ手(ハンドル)を取り付けておきます。
  3. クランプに円筒形のおもり(10kgのおもり2枚と25kgのおもり3枚)を1枚ずつ静かに載せていき、1枚載せるたびに、ロッドが下方に沈むかどうかを観察し、記録します。

    (注)スクリューポイントとロッドにかかる荷重は段階的に5,15,25,50,75,100kgとなります。
    全てのおもりを載せるとクランプの重さと合計して100kgになりますが、その際、ロッドの沈み込みがなく静止している場合には、ハンドルを回転させ、先端のスクリューポイントで土を掘進しながら強制的にロッドを貫入させ、ロッドを25cm貫入させるのにハンドルを何回転させたかを記録します。
    (注)ロッドの長さは最長で1mなので、貫入させるに従い、おもりの受け皿となるクランプが地面に着いてしまい、それ以上貫入させることができなくなります。そこで、おもりとハンドルを一旦はずし、新たにロッドを継ぎ足した後、ハンドルを装着し直した上でクランプを所定の高さまで引き上げて、再度、3と4の作業を繰り返します。

  4. (注)ハンドルの回転数は、180度(半回転)を1回とカウントします。すなわち、360度回せば2回となるので、記録は「半回転数」という表記になります。

  5. 規定の深度(後述)までの貫入が記録できた時点で測定を終了し、ロッドを引抜きます。
  6. ロッドを引抜いた後の、直径が3cmほどの測定孔を利用し、孔が土で目詰まりしていない限り、メジャーで地下水位を計測・記録します。

試験状況

試験状況

換算N値の算出

  • 地盤の強さを判定するには、その評価手続きがある程度認知されている「N値」を目安にすることが広く行われています。
  • 「N値」は、もともとビルなどの重量構造物向けの地盤調査として普及しているボーリング・標準貫入試験の測定値ですが、スウェーデン式サウンディング試験においても、本来のN値に準じる「換算N値」を算出すことのできる換算式が提案されています。本報告書においても「換算N値」を算定し、後頁に「換算N値グラフ」としてまとめました。
  • 現場で記録された実測値を、地盤工学的なデータに変換し、解析の手掛かりとするために、「換算N値」を下記の式により算出します。
  • 換算N値は粘性土用と砂質土用の2式が用意されており、大別した土質分類に基づいてそれぞれの式に実測値を代入することによって得られます。
    【粘性土】の場合、0.03Wsw + 0.05Nsw
    【砂質土】の場合、0.02Wsw + 0.067Nsw
    【礫質土】の場合、0.02Wsw + 0.067Nsw
    Wsw
    荷重(おもりの重さ)
    Nsw
    1m当りの半回転数(半回転を4倍した計算値)
    ハンドルを回転させずにおもりの自重だけで貫入する場合は、この値はゼロとなる
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